大航海物語 | 大航海時代の原動力(キッカケ)と成ったスパイス(O) 香辛料 Spices |
資料編 |
REPOBLIKA MALAGASY コショウ PEPPER マダガスカル島へ移植された 胡椒(コショウ)の木の子孫 マダガスカル 1960 発行 |
GRENADA ナツメグ NUTMEGS これが ナツメグの実 だ。 西インド諸島のグレナダ島へ移植された 肉荳蒄(ナツメグク)の木の子孫 グレナダ 1974/2/7 発行 |
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ZANZIBAR クローブ CLOVE
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SEYCHELES シナモン CINNAMON
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シナモン クロ |ブ |
スパイス |
ペ ッパ | ナ ツメグ |
スリランカ 2019 発行 |
・天然香料:〜: 料理に香辛料を加えることにより、味に変化が生まれ、おいしく感じさせたり食欲を増進する効果があります。独特の臭みを持つ食材に対しては、臭み消しとして利用されます。「ひき肉に対するナツメグ」や、「魚に対するショウガ」などがその典型的な例です。臭みが感じられなくなるおかげで、素材の旨味(うまみ)が引き立ちます。また香辛料は、防腐、殺菌作用が強いものが多く、食品の保存性を高める目的で利用されることも多いのです。胡椒などは大航海時代に食料を長期保存するためのものとしてきわめて珍重されました。ほとんどの香辛料は、植物の実や種子や球根そのものや、それらを乾燥させたもので、乾燥の後に細かくしたり粉にしたものです。たいてい少量で強い効果を持つので、家庭用には10cm程度の大きさの小ビンに入れられて売られていることが多いのです。英語では”スパイス”(spice)といい、日本でも香辛料を「スパイス」と呼ぶことが多いのです。香辛料が料理の味に特徴を加えることから転じて、物事にちょっとした特徴を加えて目立つようにしたり気の利いたものにすることを、「スパイスを利かせる」と表現することがありますね。香辛料の味や効能を特徴づける成分の多くはアルカロイド(alkaloid)で、アルカロイドには多様なものがあり、生物活性が強いものが多く、一部は毒物そのものでもあります。 ・西の香料と東の薬味:〜: 西の香料とはインドのコショウ、シナモンで、 東の薬味とはクロ−ブ、ナツメグですね。 インド肉桂(シナモン)は紀元頃以降に西洋に出回ったそうで、それまではアラビア南部産・ソマリア産のものだったようです。アラビア商人の手を経て西洋へもたらされましたが、ポルトガル人によるインド航路の発見以降は西洋人により直接輸入されました。モルッカのクロ−ブ(clove、丁子:チョウシ)とパンダ島のナツメグ(肉荳蒄:ニクズク)は他では産出していなかったそうです。ヨーロッパの鳥獣魚肉とオリーブ油を主体とする調理に、防腐・刺激・種々の味と臭い、すなわち香味を与えて日常の食卓の飲食品を快適なものにするため欠くことのできないものです。特に丁香(クロ−ブ)が無ければ塩乾の鳥獣魚肉は臭くて口に入りません。防腐上の効能と共に焼け付くような特異な焦臭と辛さがあって食生活を充実させ、甘辛どちらにも合います。また、一種の精力剤であり、同時に消化剤と信じられていました。丁子(クロ−ブ)は香料の代表と見られていましたから、原産地のモルッカ諸島は別名「スパイス・アイランド」と呼ばれました。16〜17世紀のヨーロッパ人による東洋航海の最大目的はモルッカの丁子(グロ−ブ)と肉荳蒄(ナツメグ)でした。この二つの香辛料の独占支配で莫大な利潤を得るため、ポルトガル・スペイン・イギリス・オランダ・は原地住民と度重なる戦いを繰り返してきた訳です。一説によると、マゼランの船隊の生存者(エルカノの一行)がスペインに持ち帰った香辛料は原産地価格の2,500倍の値段で取引されたといわれています。 ・三大香料:〜: なお、一般には、三大香料としては、 ・ペッパー(胡椒 コショウ) ・クローブ(丁子 チョウシ) ・ナツメグ(肉荳蒄 ニクズク)だと言われ、特に「スパイス」と呼ばれるのはこの3大香辛料だけのようで、そのクロ−ブとナツメグが、かつてはマルク(モルッカ)諸島のみに集中していました。このためマルク諸島は「香料諸島」と呼ばれました。また14世紀まではアラビア商人、イタリ−商人を経由してもたらされていた東洋の香料は、肉の腐敗を防ぎ、臭みを消すために肉食文化のヨーロッパ人に大きな需要を引き起こしていました。これが大航海の一つの原動力となりました。コショウの原産地はインド南部マラバール海岸に育つ、蔓生の 種子です。これにはブラックペッパーとホワイトペッパーと品質の落ちる赤コショウがあります。 ・フランスが移植に成功:〜: 1770年にはフランス(ポイヴァール総督)がモルッカからクロ−ブ(丁字)をアフリカのブルボン島(レユニオン島)やケニヤに移植することに成功しました。アラビア人はザンジバル諸島などでの栽培に成功しており、現在ではクロ−ブ(丁字)の世界生産量の95%を東アフリカのペンバ島、ザンジバル島、マダガスカル島で占めています。 参考:〜 ・乳香(にゅうこう、マステイク) mastic 当時はマステイクはギリシャの多島海(たとうかい)にあるキオス島にだけ産(さん)していました。当時は薬用の香料として珍重されていました。1346年にイタリアのジェノバの船隊がキオス島を攻略して、船主達がキオス市から乳香貿易独占権をとりつけました。”マオナ”という合資組織を作って乳香を採取し、それを各地に売りつけて巨利を得ていました。ジェノバから遠くジブラルタル海峡を超えて、イギリスやフランドル(現オランダ)方面へも航海して取引していました。コロンブスもこの貿易船隊に乗組んでいたと伝えられています。紀元頃のギリシャの医者ディオスコリドス(Dioscorides)は干して乾燥したマステイク(乳香)樹脂を噛み砕いて、「胃腸薬」として珍重していたことを書き残しています。現在では胃潰瘍薬としても知られていて、スパイスとしても用いられてます。 こちらで 大航海時代 と 新世界の産物(香料) <スパイス> (O)スパイス (香辛料) (1)コショウ (胡椒) (2)クローブ (丁子) (3)ナツメグ (肉荳蒄:ニクズク) (4)シナモン (肉桂) (5)ヴァニラ (和名:バニラ) (6)トウガラシ (唐辛子) (※)スパイス・アイランド(モルッカ(香料)諸島) <食料など> ・トウモロコシ (食料) ・カカオ (食料) ・パイナップル (食料) ・パンノキ (食料) その他 <世界遺産など> ・カンタブリア州(スペイン) ・ラスコー洞窟の岩絵 (フランス世界遺産) ・クレムリン(ロシア世界遺産) ・ペトラ遺跡 (ヨルダン世界遺産) ・パルテノン神殿 (ギリシャ) ・法隆寺 (日本世界遺産) をお楽しみください。 参考HP:〜 ・マステイク(乳香) ・キオス島の場所地図 ・コショウ(黒胡椒と白胡椒) ・乾燥クロ−ブ ・ナツメグの種子 ・シナモン(乾燥) ・バニラ(写真) ・トウガラシの木と果実 ・食材事典 ・バニラの栽培地域地図 ・大航海時代より前のコショウ経路地図(インド〜イタリア経路地図) ・大航海時代スパイスの有名な産地の地図 ・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。 2010/1/10追記、令和 R.2/10/20(2020) |