大航海物語 | 大航海時代の原動力(キッカケ)と成ったスパイス(3) ナツメグ Nutmeg |
資料編 |
SRILANKA ナツメグ スリランカ 2018 発行 |
FIJI |
GRENADA ナツメグ NUTMEGS 西インド諸島へ移植された 肉荳蒄(ニクズク)の木の子孫 |
GRENADA |
赤いメ|ス |
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フィジー 2002/3/12 発行 | グレナダ 1974/2/7 発行 |
・ナツメグ:〜:インドネシア原産(モルッカ諸島)。 和名:ニクズク(肉荳蒄) 英名:Nutmeg(ナツメグ) 仏名:muscade(ミュスカード) スペイン語:nuez moscada 学名:Myristica fragrans 分類:植物界被子植物門双子葉植物綱モクレン亜綱 モクレン目ニクズク科ニクズク属ニクズク種 Plantae Magnoliophyta Magnoliopsida Magnoliidae Magnoliales Myristicaceae Myristica M. fragrans 三大香料の一つのナツメグはニクズク科の常緑高木の種子から作られる香辛料のことで、樹高は10〜20mに達します。播種後7年以降に結実しだす成長の遅い植物です。ナツメグの木は雌雄異種で「雌の木」と「雄の木」があり、雄の木1本の風下に雌の木20本を植え、15〜20年ぐらいで生長し高さは10m以上にもなり、その後40年ぐらいは実をつけます。17世紀にオランダの東インド会社がモルッカ諸島を支配して以来、ナツメグの栽培地からナツメグが流出しないよう注意していましたが、フランスのモーリシャス総督ポイヴァールが1770年にクローブと共にナツメグの苗を密かに持ち出し、インド洋のモーリシャス島で栽培を始めました。ポイヴァールが苗を持ち出した時に雌雄異種というのを知らず、移植したナツメグの木に実がならないのを不思議がったといわれています。その後にレユニオン島やセーシェル諸島にも移植されました。 アンズに似た卵形の黄色い果実をつけ、成熟すると果皮が割れ、網目状の赤い仮種皮につつまれた暗褐色の種子が現れます。この仮種皮を乾燥させたものが香辛料の一つ、メース(Mace)なのです。種子全体または種子の核を取り出し、石灰液に浸してから乾燥させ粉砕したものが香辛料のナツメグとなります。種子を直接、おろし金で挽いて用いる場合もあります。6世紀には既にアラビア人によってヨーロッパに伝来していたといわれています。独特の甘い芳香があり、ハンバーグやミートローフなどの挽き肉料理や魚料理の”臭み”を消すために用いられることが多いのです。またクッキーやケーキなどの焼き菓子にも用いられます。香りの主体となる成分はミリスチシン(Myristicin)です。メースは上の切手の実の赤いところ。 ナツメグは粉に挽いて小瓶に詰めて売られていますが、香りが飛びやすいため種子のままでも売られていて、これを利用するために専用のナツメグ・ミルがあります。ナツメグ・ミルは木製の円筒形のボディに、金属性の刃とハンドル、それにハンドルと一緒に回転するホルダーがついていますが、ナツメグはさほど堅くないので、セラミック製の目の細かいおろし金でおろして使うこともできます。 参考:〜 通常使用量では特に問題を生じないが、多量(約10g以上)のナツメグは毒となる。痙攣を起こしたり、マリファナに似た幻覚を生じることがあるほか、摂取量が多い場合、肝臓障害をひきおこすことがある。過去には堕胎薬としてナツメグが使われたこともある。幻覚症状が現れ出すのは5gからで、2個での8才男児の死亡例がある。 参考HP:〜 ・ナツメグの木 ・ナツメグの種子 ・ナツメグの仮種皮(メース) ・バンダ諸島の地図(モルッカ諸島内リース諸島の南方にバンダ諸島有) 上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。 10/1/10追記、令和 R.2/10/23(2020) |