大航海物語 絶滅種
ステラーシーカウ(海牛)
1741、ステラー博士が発見



資料

BULGARIA
ステラー海牛


骨格標本
ベーリング海に生息していた絶滅種(拡大図
ブルガリア 2018 発行

CCCP (USSR)
地図の左の島が1741年ベーリング船長終焉の地となった島
コマンドルスキー諸島 ベーリング島 - メードヌイ島
諸島の地図
1741 コマンドルスキー諸島航海225年記念 1966
ソ連 極東地域領土 1966/12/25 発行
ベーリング船長とステラー博士の探検航海地図
アリューシャン列島アラスカ
ピョ|トル アラスカ湾航海地図
1741 ベーリング船長の航海250年記念 1991
ソ連 1991/7/27 発行

ステラーカイギュウ
  Steller Sea Cow

  和名:ステラー海牛(カイギュウ)
  英名:Steller Sea Cow
  学名:Hydrodamalis gigas
  別名:ステラーシーカウ
  発見:ゲオルク・ステラー博士、1741年
  ジュゴン目(海牛目)ジュゴン科に属する絶滅した海牛
  長さ:7.5m、胴回:6.2m、約2,000頭生息(ステラー博士報告)
  絶滅:1768年頃。
ステラー海牛(カイギュウ)はジュゴン(Dugong)の一種で、1741年に発見されて1768年頃に絶滅した海の哺乳類(海棲)。かつて北太平洋のベーリング海に生息していた大型のカイギュウで、寒冷地適応型のカイギュウ類(ステラーカイギュウ亜科)の、最後の生き残りでした。このカイギュウ類の系統は、ジュゴンのような、暖かい海で主にアマモなどの海草を食べて暮らすカイギュウ類から派生するも、より寒冷な海に育つコンブなどの海藻類を食べ、体を大きくして大量の脂肪を蓄えることで、寒冷な気候に適応していて、ステラーカイギュウ以外の種は、有史以前に絶滅しました。

1741年ベーリング船長のロシア帝国第2回カムチャツカ探検隊サンクト・ピョートル号が遭難して無人島のベーリング島に漂着。ベーリング船長や多くの乗組員が壊血病や飢えと寒さの中で半数以上が亡くなるも、その島にいた巨大な怪獣を捕食して生き延びた乗組員は、1742年夏に島を脱出して14日航海の後にカムチャッカのペトロパブロフスクに生還しました。その巨大な怪獣のことをロシアへ帰国する途中で亡くなった医師で博物学者のステラー博士が探検中に見られたラッコオットセイなどの毛皮獣の他に、ベーリング島の巨大な海牛とメガネウという鳥について詳細な研究報告を書き遺していました。

ステラー博士報告では、「島の海岸全域、特に川が海に注ぎ、あらゆる種類の海草が繁茂している場所には、ロシア人が「モールスカヤ・カローヴァ」(Sea Cow “海の牛”)と呼ぶ海牛が、1年の各期を通じて大挙して姿を現わした。海牛は長さ7.5m、胴回り6.2mもあり、前足はひれ状、体長は7mを超え、最大8.5mに達し、体重は5〜12屯、歯は退化して無く、非常に長く大きな腸が内蔵されていた。ほとんど潜水できず、丸く隆起した背中の上部を、常に転覆したボートの船底のように水の外にのぞかせた状態で漂い、島の周辺の浅い海に、群れを作って暮らしていた。潮に乗って海岸の浅瀬に集まり、コンブなどの褐藻類を食べ、冬になって流氷が海岸を埋めつくすと、絶食状態になり、脂肪が失われてやせ細っていた。このときのステラーカイギュウは、皮膚の下の骨が透けて見えるほどだった。氷が流れ去るまで沖合いにいて、春になって氷がなくなると、再び海藻を食べ始めるも、この春の初めに繁殖活動に入り、1年以上の妊娠期間をへて、1子を産んだと思われる。子供は群れの中央で育てられ、つがいの絆はたいへん強く、島の周辺に2,000頭ほどが生息していると推定された。海牛1頭から、3屯余りの肉と脂肪を手に入れることができ、肉は子牛に似た味と食感をもっていた。皮は靴やベルト、ボートを波から守るカバーに利用され、ミルクは直接飲んだ他、バターにも加工した。脂肪は甘いアーモンド・オイルのような味がし、ランプの明かりにも使った。生還できたのは、そこに偶然に海牛がいてくれたおかげであった」と記述されていました。

ステラー博士没後に遺稿のなかから「ベーリング海の海獣調査」「カムチャッカ誌」「ベーリング島誌」などが、 ステラー博士報告として1751年頃にカラシニコフ(Stepan Krasheninnikov 1711-1755)がペテルブルグで出版しました。その書籍でステラーカイギュウと名づけられたその海獣の存在が知られることとなり、数多くのロシアの毛皮商人や狩猟者がコマンドルスキー諸島へと渡って行って乱獲が始まり、やがて獲り尽くして、ステラーカイギュウ、メガネウは2種ともに30年も経たない内(1768頃)に絶滅しました。また、発見当初から個体数が少なかったのは、当時の毛皮獣であるラッコの乱獲でウニが大繁殖した結果、コンブをはじめとする近海の海藻類が枯渇していたためではないかとの説もあります。

なお、現在の海牛(カイギュウ)はマナティー(Manatee)の別名で、広義にはマナティーを含むジュゴン目(海牛目)の哺乳類の総称となっています。


<拡大図>
絶滅したステラー海牛




骨格標本


ステラーシーカウ(現在の海牛〜ジュゴン
人物はステラーシーカウの大きさと比較するために描写


米国で1961年に出版された ”STELLER of the NORTH” の挿絵
(書籍は福島県の「カイギュウランドたかさと」へ寄贈)


絶滅種の動物相
(Extinct Animals, Fauna)



ロックス



オオウミガラス

ステラ
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タスマニアタイ
小型組合せ贈答用シート(Miniature Souvenir Sheet)
ブルガリア 2018 発行
・オーロックス
 (Aurochs、学名:Bos primigenius)
オーロックスはウシ科ウシ属に属するウシの一種。家畜牛の祖先で、子孫であるコブ無し系家畜牛やコブウシは全世界で飼育されているも、野生種としてのオーロックスは1627年に世界で最後の1頭がポーランドで死んで絶滅。
・オオウミガラス
 大海烏、学名:Pinguinus impennis、ピンギヌス・インペニス)
オオウミガラスは、チドリ目・ウミスズメ科に分類される海鳥の一種。かつて北大西洋と北極圏近くの島や海岸に広く分布しているも、17世紀ごろから羽毛や脂を取るための大量捕獲および食用の卵の採取が原因で激減し、それから標本作成のためにさらに乱獲され、1844年に最後の一羽が捕らえられて剥製にされ絶滅。

参考HP:〜
コマンドルスキー諸島の場所地図(ベーリング島&メードヌイ島)
ベーリング島(宇宙写真)
ベーリング海とベーリング海峡の場所地図(日本語)
ロシアとアメリカの国境線の地図(ベーリング海から北極)

こちらで
ベ−リングシマウ(メガネウ)
ステラーイーダー(コケワタガモ)
ステラーシーライオン(トド)
ステラーイーグル(オオワシ)
ファントム・アイランド
ジュゴン
切手コレクションの
全米50州アメリカ
・ギリシャの民族衣装
世界遺産
ピラミッドエジプト
パルテノン神殿ギリシャ
法隆寺 (日本)
をお楽しみください。

・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。   12/6/24、令和 R.3/8/15 (2021)
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