切手で綴る世界遺産(南アフリカ共和国)
ドラケンスバーグの岩絵 San rock art of uKhahlamba-Drakensberg Park 2000、世界遺産登録 |
エランド (Eland, Sebaaieni Cave) (クワズール・ナタール州セバエイニ洞窟) |
ライオンの跳躍 (Leaping Lion, Clocolan) (フリーステイト州クロコラン) |
オジロヌー (Black wildbeest, uMhiwazini Valley) (クワズール・ナタール州ンムヒワジニ渓谷) |
サン人の踊り (San Dance, Floukraal) (東ケープ州フロークラール) |
RSA 1987/6/4 発行
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南アフリカ 2006 発行 |
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サンの岩絵〜南アフリカのクワズール・ナタール州やフリーステイト州、北西州の砂岩洞窟、リンポポ州の花崗岩洞窟、西ケープ州のテーブルマウンテンの砂岩洞窟など、ピクトグラム(Pictogram:視覚記号)はアフリカ南部全土に見られます。サン人の間で最も一般的に描かれたのはエランド(Eland:アンテロープの1種)のような動物で、セダバーグ地区(Cederberg
Local Municipality, Western Cape)やウォーム・ボッケベルト地区(Warm Bokkeveld Local Municipality,
Western Cape)では、リーボック(Reebok:ガゼルの一種)やハーテビースト(Hartebeest:レイヨウの一種)も描かれました。ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園では、およそ4,000年前の岩絵があり、その岩絵には宗教的意味合いもあり、人間や動物が描かれています。また、紛争や戦争の絵や、獣人やトランス状態に関する絵もあります。 なお、ボツワナのツォディロ洞窟やナミビアのウォーターバーグ・プラトー国立公園(Waterberg Plateau Park)の砂岩洞窟、レソトのセサバテーベ国立公園にもサン人の岩絵遺跡があります。 |
・ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園のサン人の洞窟壁画遺跡 San rock cave paintings of uKhahlamba-Drakensberg Park (岩絵遺跡 BC2,000頃から) 所在地:南アフリカ国クワズール・ナタール州ピーターマリッツバーグ北西へ約100kmの洞窟に有 (uKhahlamba-Drakensberg Park, Pietermaritzburg, KwaZulu-Natal province, South Africa) ドラケンスバーグ山脈(Drakensberg Mountains)の南東に有 (Drakensberg Mountains (1,000km), Mt.Thabana Ntlenyana 3,482m) 世界遺産:ユネスコの自然遺産(Natural)と文化遺産(Cultural)の複合遺産 (UNESCO World Heritage Site, Type:Mixed) 正式名称: 登録年 2000年 日:ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園 (南アフリカ共和国) 英:San rock art of uKhahlamba-Drakensberg Park 拡張年 2013年 2013年の拡張でレソト王国クァクハスネック県のセサバテーベ国立公園が追加され、 日:マロティ・ドラケンスバーグ公園 (南アフリカ & レソト)となる 英:Maloti-Drakensberg Park 仏:Parc Maloti-Drakensberg マロティ・ドラケンスバーグ公園は南アフリカ共和国とレソト王国の両国にまたがるドラケンズバーグ山脈ある世界遺産で、 ・南アフリカの、ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園(レソト国境クワズール・ナタール州の西)と ・レソトの、セサバテーベ国立公園(Sehlabathebe National Park) が対象になっています。マロティ山脈を含むドラケンスバーグ山脈の美しい自然景観や、1997年に湿地の保存に関する国際条約のラムサール条約登録対象となった湿地などの自然環境などの生物多様性、さらにはサン人(ブッシュマン)達が数千年にわたって残してきた数々の岩絵(旧石器洞窟美術)などの考古遺跡群という、自然・文化両面の価値が評価されたユネスコ(UNESCO)の世界遺産リスト登録物件の複合遺産であり、グレート・エスカープメント(Great Escarpment, Southern Africa:南アフリカの大地溝帯)では最大の自然保護区を形成しています。2000年(11/30)に登録された当初は南アフリカの「ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園」のみを対象としていましたが、2013年にレソトにとっては初の世界遺産となる「セサバテーベ国立公園」が加えられて拡大されました。 ・マロティ・ドラケンスバーグ公園の構成:〜 ・南アフリカのフリーステイト州 (Free State) ・ゴールデン・ゲート・ハイランズ国立公園 (Golden Gate Highlands National Park, 1963) ・クロコラン村(Clocolan, Mt Tandjiesberg)にサンの岩絵が有 ・ブランドウォッグ・バトレス(Brandwag Buttress)有 ・クワクワ国立公園、2008年に上記の公園へ併合 (QwaQwa National Park, 1994) ・スタークフォンテーン・ダム自然保護区 (Sterkfontein Dam Nature Reserve) ・南アフリカのクワズール・ナタール州 (KwaZulu-Natal) ・ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園(uKhahlamba Drakensberg Park) ・セバエイニ洞窟、ディディマ特別保護区 (Sebaaieni Cave, Didima Special Conservation Area, Ukhulhamba Drakensberg Park) ・ンムヒワジニ渓谷(uMhiwazini Valley) ・ロイヤル・ナタール国立公園 (Royal Natal National Park, 1916) ・レソトのマロティ山脈(Maloti Mountains) (最高峰:ドラケンスバーグ山系タバナ・ントレニャナ山(Mt. Thabana Ntlenyana)、3,482m) ・セサバテーベ国立公園 (Sehlabathebe National Park, LesothoLesotho, 1969/5/8) ドラケンスバーグ山脈の一部をなす一帯の、ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園は美しい山岳風景と、多彩な生息環境が育む多くの動植物を特徴とする一方で、先住民のサン人が4,000年以上かけて描き続けてきた壁画が、3万点以上も残されています。ドラケンスバーグ公園の素晴しい自然の景観のなかに、たくさんの洞窟や岩窟住居が見られます。ただ、多くは過去300年間に描かれたもので、ドラケンスバーグは19世紀後半まで、サン人の居住地でした。壁画は儀式の場に描かれたと推測されるものもあって、今日では居住地を離れて暮らす人々の精神世界の象徴になっています。 ウクハランバ(uKhahlamba)はズールー(Zulu)では「槍の障壁」を意味しています。またドラケンスバーグはアフリカーンスで「ドラゴンの背中」、ズール語で「槍の砦」を意味しています。ドラケンスバーグ一帯には先住民族サン人が描いた岩絵(San rock art)が約600ヵ所に約35,000もの、粘土・焼けた木材・黄土酸化物を混ぜた赤・オレンジ・黄・黒・白を使用した個別の画像(San cave paintings)があります。 ・ウクハランバ・ドラケンスバーグ公園のの構成:〜 南アフリカ・クワズール・ナタール州にあった ・1件の国立公園(ロイヤル・ナタール国立公園) ・1件の狩猟鳥獣保護区 (Game Reserve) ・4件の自然保護区 ・6件の国有林 (State Forests) をまとめる形で1993年に設定された自然公園です。 国有林の中に全部で4つの原生自然地域が設定されています。
ドラケンスバーグの岩絵は、1837年にイギリス人に追われたオランダ移民の子孫のボーア人たちが英領ケープ植民地から大移住を行い、現在の南アフリカ共和国北部に定住した、その移住の旅「グレート・トレック」(Great Trek from the Cape Colony)で大山脈を超える時に、ボーア人の父と息子が発見しました。彼らは岩絵を見つけて「雲と尾を持つ巨大なトカゲが雲の覆われた山の頂上を飛んでいる」と言ったと伝わっており、それがドラケンスバーグ(Drakensberg)大山脈の名前の由来ともなりました。 参考HP〜 世界遺産サン人の岩絵の場所地図 こちらで ・サン人 ・ラケンスバーグ山脈 世界遺産の ・サン(ツォディロ)の岩絵 (ボツワナ、砂漠のルーヴル) ・アルタミラ洞窟の岩絵 (スペイン) ・カカドゥの岩絵 (オーストラリア) ・ヌビア遺跡 (エジプト) ・ペトラ遺跡 (ヨルダン) ・パルテノン神殿 (ギリシャ) ・法隆寺 (日本) をお楽しみください。 ・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。 2018/2/18 |