Spain

国連 1988 発行
切手で綴る スペインの大航海 (Adventure Voyage)西回りインド大航海(1-6
ロドリゴ・ド・ヘレス
1492
コロンブスの第1回航海、タバコを喫煙


大航海物語
 スペイン編

CUBA
サンタ・マリア号

キューバ 1982/10/1 発行
GURNSEY
コロンブスの第1回航海地図

コロンブスの新大陸発見500年記念
ガーンジイ 1992 発行
TURKYIE
タバコ

トルコ 1965 発行
Jmaica
タバコを吸う人

ジャマイカ 1992 発行
CUBA
ニーニャ号

キューバ 1982/10/12 発行

ロドリゴ・ド・ヘレスはコロンブスの1492年の第1回航海に雇われて、同行し、新世界での原住民の”タバコの習慣”をスペインに持ち帰り、ヨーロッパにタバコを広めるキッカケを作った人物となりました。

ロドリゴ・ド・ヘレス
 Rodrigo de Jerez(生年不詳〜没年不詳)
ロドリゴ・ド・ヘレスはスペインのアンダルシ州ウエルバ県アヤモンテ(Ayamonte、Huelva, Spain)に住んでいた船乗りでした。パロスで、コロンブスが新世界への探検大航海へ行くために乗組員を集めていると聞き、コロンブスの航海に応募して雇われました。

1492/1/2の「グラナダの陥落」によりイスラム教徒がスペインから一掃され、レコンキスタ(Reconquista、国土回復運動)が終了し、コロンブスとスペイン国王との航海実施の合意が成立、「提督」や「副王にして総督」と言う地位が与えられ、コロンブスは航海の準備に取り掛かりました。ヘレスはコロンブスの乗船サンタ・マリア号に乗組み、1492/8/3にサンタ・マリア号、ピンタ号、ニーニャ号の3隻と乗組員120人と共に、スペインのパロス・デ・ラ・フロンテラ港から黄金の国「ジパング」や香料(スパイス)の産地「インド」への航海に出帆しました。カナリア諸島に停泊した後、9/6にゴメラ島を離れ、ほぼ北緯28度線上を一路西へと航海し、苦難の連続の航海の途中、乗組員が反乱寸前になるという極限状態を乗り切り、1492/10/12にグアナハニ(Guanahani、現バハマ諸島サン・サルバドル)島(San Salvador,Bahamas)に到達しました。コロンブスはインドの一角に到着したと確信していたので、神への感謝の意を込めて、この島を「サン・サルバドル」(聖なる救済者)と命名しました。

そして上陸した一行は島の原住民のアラワク族(Arawak)が、見たところ「特有の良い香りのする乾いた葉っぱ」をうやうやしく差し出しました。これこそが”タバコの葉”だったのですが、コロンブスは興味を示さず直ぐに捨ててしまいました。その後、島の人から海の向こうの南の方に、もっと大きな島があることを聞きました。

1492/11/2にキューバに着くと、そこをアジアだと思ったコロンブスはヘレスにルイス・ド・トーレスと一緒に奥地の探検を命じました。ヘレスらはマルコ・ポーロの「東方見聞録」にある”カーン大王”(Great Khan)に親善使節としてコンタクトをとってくることを目指して出発しましたが、都は発見できず、彼等は原住民の部落を見つけて、4日後に戻ってきました。
タバコの葉

トルコ 1965 発行

ヘレスがトーレスと2人でアジア(中国)の皇帝を探している時に、原住民が「煙を吸っている」のを見ました。見ると「マスケット銃の玉を紙に包むようにして、パームヤシの葉を丸めて、乾いた葉っぱを、その中にいれ、片方の端に火をつけて、反対側の端から、煙を吸っていた」と報告し、自分達も吸ってみたと言いました。ヘレスらはタバコ(tobacco)を吸った最初のヨーロッパ人となりました。

その後、付近を探検、調査している時、サンタ・マリア号は1492/12/24の夜にイスパニョーラ島で座礁し沈没してしまいました。そのため船に乗り切れなくなって、残留を申し出た乗組員39人のために、サンタ・マリア号の木材でイスパニョーラ島にナビダー(La Navidad)の砦を築きました。コロンブスは1493/1/14にピンタ号、ニーニャ号の2隻でイスパニョ−ラ島から帰路につき、1493/3/15にスペインのパロス・デ・ラ・フロンテラ港に凱旋しました。ヘレスもコロンブスと同じニーニャ号に乗船して、パロス港に戻りました。

ヘレスはこのタバコ喫煙の習慣をスペインに持ち帰って、故郷のアヤモンテで吸って見せて披露しました。それがヨーロッパでの最初のタバコの喫煙となりました。そして、タバコが驚くほどの速さで近隣地方に伝わり、やがてスペイン全土はおろか全ヨーロッパに広まりました。

異端審問会は宗教裁判で、煙を吸うことは罪深い地獄の習慣で魔女の所業だとして有罪を宣告し、ヘレスを投獄しました。7年後に開放されましたが、タバコの習慣はもはや止められませんでした。なお、噛みタバコアメリゴ・ヴェスプッチの1499年の航海でベネズエラから持ち帰ったのが最初だといわれていますし、イギリスにはドレーク船長が1585年の航海で西インド諸島から持ち帰ったのが最初だといわれています。

・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。   2008/2/28、令和6年 2024/9/29

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