絶滅危惧種(ロシア)毛皮採取の動物

ホッキョクギツネ
Arctic fox

CCCP
ホッキョクキツネ
ホッキョク青ギツネ

Arctic Blue Fox
ホッキョク白ギツネ

Ermine
レニングラード国際毛皮競売会記念
International Fur Auction Reningrad

ソ連 1967/9/20 発行

・ホッキョクギツネ
 Arctic White Fox

  和名:北極狐
  英名:Arctic fox
  学名:Alopex lagopus
ホッキョクギツネ(北極狐、白狐)は哺乳綱ネコ目イヌ科キツネ属に分類される北極地域原産の小型のキツネの一種で、体長46〜68cm、尾長26〜42cm。寒さに圧倒的に強く、-70℃の世界でも少し寒がる程度。極寒地で生息できるための仕組みとして、毛が深くて濃い(アカギツネの体毛は五割が下毛なのに対し、ホッキョクギツネは体毛の七割が下毛)ことや、足を凍結から守るための対向流熱交換系があること、体脂肪の十分な貯蔵など。一般的に丸い体型をしていることや、鼻口部や脚が短いこと、耳が小さくて分厚く、表面積と体積の比が低くて、寒さに晒される表面積を小さくすることで、体温が逃げるのを防いでいると考えられています。

食習慣は主にホッキョクグマの食べ残し(キツネもその餌食になるけど)、自分でとった魚やレミング(タビネズミ、割合が大きい)、ホッキョクウサギ、ライチョウ、ワモンアザラシの子どもを捕食。他に爬虫両棲類や卵、死骸を食し、あったものはなんでも食べます。5〜6月の間は雪の中の洞穴に閉じこめられて比較的不自由な状態のワモンアザラシの子どもを捕食。ホッキョクギツネはときには流氷群をたどり氷原が途切れているとそこを泳いで小さな島に渡り、ホッキョクグマの残したアザラシの残骸や魚を食べます。ホッキョクギツネは嗅覚が鋭く死肉が2. 5mの雪の中に埋もれていても見つけ出し、よくホッキョクグマの後について行動するのが見られています。時には雪に穴を掘り地表面で雪の下で活動しているレミングなどを待ち伏せ、レミングやハタネズミが少なくなると鳥を捕食。ガンやカモ、海鳥、ライチョウ、小さなネズミ類も捕食。アリューシャン列島ではキツネが現地人の墓を掘り起こしてミイラ化した人間の皮を食べていたことを人類学者が報告しています。1741年に探検家ベーリング船長がベーリング島で乗船が座礁し、乗組員の大部分が壊血病にかかっていて、重病者から先に島に上陸しました。ところがホッキョクギツネにとっては動けない病人は絶好の餌食で、ベーリングの隊員が2番目のボートで上陸した時に、病気で死にかかっている水夫仲間を襲っているホッキョクギツネを見たと伝えられています。

ホッキョクギツネは北極地域に広く分布。グリーンランド、ロシア、カナダ、アラスカスヴァールバル諸島の辺境を含む北極圏全体、更に亜北極圏やアイスランド、スカンディナヴィア本土の山脈などの高山地域で見られます。法律による狩猟や虐待に対する保護が数十年も続くも功を奏さず、絶滅寸前状態になっています。スカンディナヴィア本土の個体群(ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)全体の推定総個体数はわずか成獣120匹にすぎないといわれています。

ホッキョクギツネの亜種
・ベーリング島ホッキョクギツネ
 (Bering Islands Arctic Fox、Alopex lagopus beringensis)
・アイスランドホッキョクギツネ
 (Iceland Arctic Fox, Alopex lagopus fuliginosus)
・グリーンランドホッキョクギツネ
 (Greenland Arctic Fox, Alopex lagopus groenlandicus)
・ホール島ホッキョクギツネ
 (Hall Island (ベーリング海:Alaska) 、Alopex lagopus hallensis)
バロー岬ホッキョクギツネ(Barrow (Alaska)、Alopex lagopus innuitus)
・プリビロフ諸島ホッキョクギツネ
(Pribilof Islands Arctic Fox(ベーリング海:Alaska) 、Alopex lagopus pribilofensis)
メードヌイ島ホッキョクギツネ
 (Mednyi Island Arctic Fox(ベーリング海:Russia)、Alopex lagopus semenovi)
・シベリアホッキョクギツネ
 (Siberia Arctic Fox、Alopex lagopus sibiricus)
・スヴァールバル諸島ホッキョクギツネ
 (Svalbard Islands、Alopex lagopus spitzbergensis)
・アンガヴァホッキョクギツネ
 (Alopex lagopus ungava)
アンガヴァ半島(Ungava Peninsula)はカナダ・ケベック州の北で、ハドソン湾、ハドソン海峡、アンガヴァ湾に面した半島の北に有。
参考HP:〜
ホッキョクキツネの分布地域地図

参考:〜
アカギツネ
  和名:赤狐
  英名:Red fox
  学名:Vulpes vulpes
赤ギツネ

Red Fox
アカギツネは、ネコ目イヌ科キツネ属に属する哺乳動物で、世界中に広く分布し、特に日本を含むユーラシア大陸北部と北米大陸の住民にとって、最も身近なキツネです。毛皮は赤みを帯びた褐色を基調とするも、天然の灰色の遺伝的多型(ギンギツネなど)が見られます。ギンギツネの家畜化によって、人に慣れた品種も生み出されています。日本には他のキツネ属の動物は自然分布しないため、日本語で単に「キツネ」というときは、通常アカギツネを指し、また、英語でもイギリスとアイルランドでは他の野生のイヌ科動物が棲息しないため、アカギツネが単に "Fox" と呼ばれています。
アカギツネの棲息域は、地上性の食肉目の中で最大で、北アメリカからユーラシア、さらに一部は北アフリカに及びます。そのため、アカギツネは数多くの亜種を持ちます。日本列島近隣には、北海道、樺太にキタキツネ (Vulpes vulpes schrencki) 、列島のそれ以外の地域にホンドギツネ (Vulpes vulpes japonica) という亜種が、それぞれ棲息。千島列島にはベニキツネ (red fox, silever fox, cross fox, 学名 Vulpes vulpes splendidissima) 、クロキツネなどの亜種も分布。英国のスポーツ「キツネ狩りの影響でオーストラリアに移入されたアカギツネは、在来の固有動物の捕食者として、深刻な環境破壊を引き起こしています。また、世界各地でエキノコックス症の原因となる単包条虫や多包条虫の宿主として影響を与えています。寿命は飼育下で12年で、野生ではたいてい3年程度。体長は45.5〜86.5cm、尾長30〜56cm。体色は、普通は赤錆色で腹側は白く、黒い耳の先端と足、フサフサした尾の先端の白が目立ちます。赤の度合いは真紅から金色と幅があり、実際によく見てみると、各々の個体の毛は赤、茶色、黒、白の条の入った斑模様かあります。
銀ギツネ

Silver Fox
野生においては、さらに別の2つの色が見られることもあって、一つは「銀」または「黒」で「ギンギツネ」と呼ばれます。野生の個体の10%、養殖される個体のほとんどを占めます。約30%の個体には、さらに黒い模様があり、通常は肩と背部の中央下側に、縞として現われ、このパターンは背中に十字架を作るため、このようなキツネは「十字ギツネ」と呼ばれます。

家畜化された養殖のアカギツネには、斑や縞などを含むあらゆる色がみられます。目は金から黄で、ネコ科動物のような縦に裂けた瞳を持つ。その素早さもあり、アカギツネは「猫のようなイヌ科」と形容されます。長いフサフサとした尾は、身軽な跳躍の際にバランスをとるのに役立ち、獲物を捕えたり捕食者から逃れたりするための走る速度は時速50kmに達します。成獣の体重は2.7〜6.8kgになり、地域により異なっており、ヨーロッパの個体
は北アメリカの個体より大きくなります。秋と冬には、より厚い毛皮の「冬毛」を生やし、寒冷な環境に対応し、 春が始まるとこの毛は抜け落ち、夏場は短い「夏毛」となります。

日本に生息するホンドギツネとキタキツネを比較すると、ホンドギツネの方が毛色がより暗褐色で体長がやや小さく、足先が黒くなく、キタキツネが大陸のアカギツネと同じ頭骨を持つのに対し、ホンドギツネの頭骨は微妙に異なることや、キタキツネの乳頭が8〜6個であるのに対し、ホンドギツネは10〜8個と多いことから、亜種ではなく日本固有の新種である可能性もあるといわれています。大草原や低木地から森林まで、アカギツネは多様な生物群系で見られ、低緯度地域に最も適していますが、極北にまで進出し、ツンドラ地域ではホッキョクギツネと直接競争関係にあるという生息環境にあります。

欧米では郊外や都市部でさえ見かけることができ、害獣であるアライグマと縄張りを共有しています。アカギツネは齧歯類、昆虫類、果実、ミミズ、卵、鳥類、その他小動物を食べ、42本の強力な歯でそれらを捕らえ、1日0.5〜1kgの食物を摂取します。都市区域でも庭や荒地で齧歯類や鳥を狩ることはあるも、主に家庭のゴミに頼っていると思われています。イヌ科でありながら、体の特徴や行動がネコに似ているとされて、その理由は効率的にげっ歯類を捕らえるという共通の目的によるといわれています。狩りは単独で行うのが普通で、食べきれない獲物を獲た場合は、それを埋める習性があります。

アカギツネの亜種
・ホンドギツネ
 (Vulpes vulpes japonica)
  北海道以外の日本列島に棲息
・キタキツネ
 (Vulpes vulpes schrencki)
 日本列島近隣の北海道、樺太に棲息
千島列島には
  ・ベニキツネ
   (red fox, silever fox, cross fox, 学名 Vulpes vulpes splendidissima)
  ・クロキツネなどの亜種が棲息。
※(注);〜
・オコジョ
  和名:オコジョ
  英名:アーミン、Ermine(Stoat)
  学名:マステラ・アーミニア、Mustela erminea
  別名:ヤマイタチ(山鼬)、冬毛が白いので白貂(シロテン)ともいう
右の切手を米国(USA)のスコットカタログ(SCOTT:2007)で見てみると
"Ermine"との説明が有りました。アーミンとは、日本ではオコジョのことですよね。この切手の絵は、どうみてもオコジョには見えませんネ! ロシア語では何と書いてあるんでしょうか? ホッキョクギツネの積りだと思って、その画像に使用しましたが、一応、オコジョとしてのコメントを追加します。
アーミン

Ermine
オコジョはネコ目(食肉目)イタチ科に属する動物で、イギリスを含むヨーロッパ中北部、アジア中北部、北米に生息。日本にはホンドオコジョ、エゾオコジョの2亜種が生息。体長はオスで16〜33cm、体重は150〜320g程度。イタチ科は一般に胴長短足で、オコジョの後ろ足は比較的長く、これによる強力な跳躍力があり、目から鼻にかけての吻が短く、イタチ科にしては丸顔をしています。耳は丸く、夏毛と冬毛があって、夏は背側が茶色で腹側が白い。冬は全身が白になります。尾の先は黒い特徴を持ち、気性が荒く、ノネズミなどを捕食する他、自分の体よりも大きいノウサギやライチョウを捕食することもあります。単独で生活し、岩や樹根の隙間に営巣したり、ネズミの巣穴を乗っ取って自分の物にすることも有。他のイタチ科と同様、オコジョには着床遅延という現象があることが知られています。交尾後、受精卵は長期間にわたり発生を休止し、妊娠、出産に適した暖かい季節になって初めて子宮壁に着床し、妊娠期間は1ヵ月程度。動きはきわめて敏捷で、木登りや泳ぎなども得意という生態を持っています。

オコジョの毛皮は外套やストールの縁取り用に珍重され、特に純白の冬毛が好まれました。イギリス英語では冬毛のオコジョのみを「アーミン」("ermine")と呼んで区別(北アメリカでは夏毛のオコジョもアーミンと呼ばれる)。ヨーロッパでは、アーミンは王族の象徴とされました。中世の王侯貴族はこの冬毛のオコジョの毛皮をいくつも並べて一枚に縫わせ、それをガウンの裏地などに好んで用いて、王族や貴族の肖像画やトランプのクィーンやキングの絵札で黒い点のある白い縁のある服を見かけますが、その部分がアーミンなのです。イギリス貴族院議員の正装の上着にもアーミンがあしらわれています。ルネサンス期には、アーミンは純白の毛皮を汚されるよりも死を選ぶと信じられたため、純潔の象徴ともされました。
オコジョは35以上の亜種に分類され、北へ行くほど小型化する傾向が有。
・オコジョ(M.erminea)
 ・エゾオコジョ(M.e.orientalis、北海道/準絶滅危惧(NT)、環境省レッドリスト)
   日本以外では、千島・サハリン・ロシア沿海地域に分布。
   平地では国内移入種のニホンイタチ・移入種のミンクの圧迫により姿を消す。
 ・ホンドオコジョ(M.e.nippon、ヤマイタチ)
   本州中部地方以北/日本固有亜種/準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト)
・アメリカミンク(M.vison、ミンク)
   北米原産の移入種、1960年代から北海道で野生化した
   平地でエゾオコジョ・ニホンイタチを圧迫している。

なお、イタチ、テン、オコジョは良く似ていますね。
イタチ(鼬、鼬鼠、Weasel)とは、
  ネコ目(食肉目)
  ネコ亜目(裂脚亜目)
  イタチ科
  イタチ属(Mustela)に含まれる哺乳類の総称です。オコジョ、イイズナ、ミンク、ニホンイタチなどがイタチ属に分類され、ペットとして人気のあるフェレットもイタチ属。

イタチ(Mustela)の亜種:〜
 ・ニホンイタチ(日本鼬、学名:Mustela itatsi)〜日本固有種
 ・チョウセンイタチ(朝鮮鼬、学名:Mustela sibirica)〜ニホンイタチより大型
 ・シベリアイタチ(タイリクイタチ、チョウセンイタチ) M.sibirica ,Kolinsky)
  (コリンスキーセーブル、レッドセーブル、シベリアン ファイアセーブル)

イイズナ(M.nivalis)
 ・キタイイズナ(亜種、コエゾイタチ、M.n.nivalis、北海道)
   大陸に分布するものと同じ亜種。
 ・ニホンイイズナ(亜種、M.n.namiyei)
   青森県・岩手県・山形県/日本固有亜種(準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト)
   キタイイズナより小型で、日本最小の食肉類。

テン(Japanese marten)の亜種:〜
   ネコ目(食肉目)イタチ科テン属に分類される食肉類
 ・ホンドテン(M. m. melampus)
   日本(本州、四国、九州)〜固有亜種。佐渡島へ移入
 ・コウライテン(M. m. coreens)〜朝鮮半島
 ・ツシマテン(M. m. tsuensis)〜日本、対馬固有亜種
天然記念物に指定されているツシマテンのキテン(Yellow marten、黄貂)の黄色い毛皮は特に優れていて、最高級といわれています。

参考HP:〜
オコジョの分布地域地図

・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。       11/7/18
スタンプ・メイツ
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