大航海物語
ナイル河
The Nile

ナイル河とその流域地図
参考資料
ヴィクトリア湖→






REPUBLIQUE DU BURNDI
ナイル河の流域地図

ブルンジ 1970/7/8 発行
←タナ湖

ナイル河
   (The Nile、6,650km)、6,853km説有。
世界で一番長い川の ナイル河(6,650km)はスーダンのハルツームで、エチオピアのタナ湖(Lake Tana, 標高1,788m)から流れてくる青ナイル河(Blue Nile、1,450km)と合流します。その上流のヴィクトリア湖(標高1,134m)から流れるのが白ナイル河(White Nile、3,700km)です。

ナイル河:〜
・本流:ハルツーム(Khartoum 標高386m)〜アレキサンドリア(Alexandria)河口(地中海)約2,950km
・白ナイル河:ヴィクトリア湖〜ハルツーム:約3,700km (計:6,650km)
 水源:〜ヴィクトリア湖
 源流のルヴィロンザ川(Ruvyironza River, 110km)を経てヴィクトリア湖へ
・青ナイル河:タナ湖〜ハルツーム:約1,450km
 水源:〜タナ湖
 源流ギシュ・アバイ(Gish Abay, 標高2,744m)の泉から小アバイ川(Lesser Abay River)へ。
ナイル河の源流はヴィクトリア湖だと思われがちですが、ヴィクトリア湖には多数の流入河川があります。ヴィクトリア湖に流れ込む河川の内で最大最長のものは、ルワンダに源を持ち、ルワンダとブルンジやタンザニアの国境をなし、さらにタンザニアとウガンダの国境をなした後にタンザニアのブコバ市北方でヴィクトリア湖に流れ込むカゲラ川(Kagera River 400km)です。そのカゲラ川の支流のうちでもっとも長いものは、ブルンジ南部のブルリ県を水源とするルヴィロンザ川(Ruvyironza River)で、これがナイル川の最上流であるとされています。 ヴィクトリア湖の場所地図

ケニアウガンダタンガニカ1958発行
一方ヴィクトリア湖からの流出河川はナイル河しかないためヴィクトリア湖をナイル河水系に含み、そこに流れ込む河川長もナイル河の長さに加算するのが普通。ヴィクトリア湖は赤道直下のサバナ気候で降水量も多く、そこから下流はヴィクトリアナイル(Victoria Nile River)とも呼ばれます。ヴィクトリア湖からのナイル河の流出口は湖北部のジンジャ(Jinja, Uganda)で、流出口には記念碑が建てられ、オーエン・フォールズ・ダム(Owen Falls Dam, 1954)が建設されて発電されています。
ヴィクトリア湖から約500km下流に行くとキオガ湖(Lake Kyoga, 標高 1,034m)を経て、120mの高さのあるマーチソン滝(Murchison Falls, Uganda)を通り、アルバート湖(Lake Albert, 標高619m)に着きます。アルバート湖には、他にもウガンダ南西部のジョージ湖(Lake George, Uganda)からカジンガ水路(Kazinga Channel)、エドワード湖(Lake Edward)を通ってきたセムリキ川(Semliki River)が注いでいます。アルバート湖からはアルバートナイル(Albert Nile River)とも呼ばれます。南スーダンに入り、急流を一つ越えるとジューバ(Juba、南スーダン共和国首都)で、ジューバからは勾配が非常に緩やかとなり、少し北のモンガラ(Mongalla)市周辺からは大湿原スッド(The Sudd)の影響を受けます。支流のバハル・エル=ガザル川(Bahr el Ghazal River)とノ湖(Lake No)で合流し、そこからは白ナイル河と呼ばれます。このあたりはスッドと呼ばれる大湿原になっており、ここで蒸発して流量が激減。帆船時代は、ここは複雑な流路と生い茂る水草によって南北の交通を阻む障壁となってきましたが、蒸気船の登場以後は航路が設定されました。さらに、スッド出口のマラカル(Malakal)市の南でソバト川(Sobat River, 354km, Republic of South Sudan)を合わせます。マラカルからハルツームまでの800kmの標高差は12mで、非常に緩やかな流れとなります。 古地図のナイル河

バチカン 1991 発行
官製絵葉書の裏面より

白ナイル河はハルツームで、タナ湖から流れてくる青ナイル河と合流。ハルツームを過ぎて80kmほどで、ナイル河には再び急流が出現する。これは北から数えて6番目の急流のため、第6急流と呼ばれます。ここからエジプトのアスワン(Aswan)までの間にある6つの急流はエジプトとスーダンの間の舟運を拒み、交通の障害となってきあしたが、この急流の区間は古くからエジプトの影響を受け、ヌビア(Nubia)と呼ばれて独自の古代王国を築いていました。第6急流の北、200kmほどの所には、古代のクシュ王国(Kingdom of Kush, BC1070-AD350)の都であったメロエ(Meroe)があります。さらにその北、ハルツームから約300km下流のアトロバラ(Atbarah)で支流のアトバラ川
(Atbarah River, 805km)と合流。これ以北は完全な砂漠気候であり、ナイル河谷を除いてほとんど人は住まなくなります。また、これ以北ではナイル河に注ぎ込む常時水流のある支流は存在せず、わずかにワジ(Wadi、降水時に水が流れる)が点在するのみとなります。第4急流付近には、メロエ以前にクシュの首都であったナパタ(Napatan Region:世界遺産のゲベル・バルカル(Jebel Barkal)高さ98mの小山)があり、この付近に2009年メロウェダム(Merowe Dam)が完成して大規模な発電を開始。エジプトに入ると、アスワン・ハイ・ダム(Aswan High Dam)とそれによって出来たナセル湖(Lake Nasser)が有。ナセル湖の長さは550kmに及び、その南端はスーダン最北の町ワジハルファ(Wadi Halfa)を越えさらに南まで延びています。アスワン以北は古くからの「エジプト」であり、幅5kmほどのナイル河谷に人が集住するようになります。 古地図でのナイル河の場所地図

ボフタツワナ 1992 発行
アスワンからカイロ(Cairo)までは上エジプトと呼ばれます。この区間ではナイル河はほぼ一本の河川ですが、北西へと流れる支流があり、カイロ南西にファイユーム・オアシス(Faiyum Oasis)を作ってカルーン湖(Lake Quaroun)に注ぎ込みます。それからさらに北へ流れ、カイロから北は三角州が発達。ナイル河三角州は下エジプトとも呼ばれます。三角州はアレクサンドリアからポートサイド(Port Said)まで約240kmの幅を持ち、東のロゼッタ支流(Rosetta branch river, 220km)と西のダミエッタ支流(Damietta branch river, 242km)という二つの主流と多くの分流に別れ、地中海に注ぎます。

白ナイル河
 (White Nile、約2,084km)
(広義の長さ:約3,700km)
 源流:ヴィクトリア湖(Lake Victoria、標高1,134m)
 水源:ルヴィロンザ川(Ruvyironza)
 語源:南スーダンの湿地スッドの北部にある西からのバハル・エル
 =ガザル川(Bahr al Jabal)と南  からのバハル・アル=ジャバル
 川の合流点に形成された南スーダンのノ湖を抜けた雨期のナイル
 が、浮遊物で白く泡立って見えるに由来。
白ナイル河はアフリカ北東部を流れる河川で、青ナイル川と共にナイル川の支川を形成しています。厳密な白ナイルは南西からのバハル
ヴィクトリア湖

ウガンダ 1989/11/15 発行
・エル=ガザル川(Bahr el Ghazal River、716km)と、南からのバハル・アル=ジャバル川(Bahr al Jabal、ニムレ(Nimule、標高750m)〜南スーダンのノ湖(Lake No)間)とが、スーダン南部で合流して形成されるノ湖から青ナイルと合流するハルツームまでが白ナイルです。広い意味では源流部のヴィクトリア湖からウガンダ国内を北上し、キオガ湖(Lake Kyoga, 標高1,034m, Uganda)とアルバート湖(Lake Albert, 標高619m, Uganda & Congo)を経て、バハル・アル=ジャバル川に至るまでをも含みます。ヴィクトリア湖からハルツームまでの長さは約3,700kmで、広い意味で使われています。

青ナイル河
 (Blue Nile、1,450km)

 源流:タナ湖(Lake Tana、標高1,788m)
 水源:ギシュ・アバイ(Gish Abay、標高2,744m)の泉
 語源:一年の大半、水が白ナイル河の(灰色に濁った)水よりも
    透明に見えることに由来。
青ナイル河は、エチオピアのタナ湖に源を発する川で、白ナイル川と共にナイル河の支川を形成しています。タナ湖に流入する支流は幾つかあるも、青ナイル河の水源はアムハラ州の標高2,744mにあるギシュ・アバイの泉であると考えられています。
タナ湖

エチオピア 1951 発行
ここから小アバイ川(Lesser Abay River)が北に流れタナ湖に注いでいます。青ナイル河は、最終的にはスーダンの首都ハルツームで白ナイル河と合流し、その後はナイル川としてエジプトを流れ、アレキサンドリアで地中海に注ぎます。

ナイル河の水源
約2,000年前のプトレマイオス世界地図ではナイル河の水源は「月の山」だとされていましたが、その後の探検で、上記のようにナイル河は白ナイル河と青ナイル河とに分れており、それぞれに水源があることが発見されました。なお、ブルンジ共和国では南東にあるギキジ山(Mount Gikizi, 2,145m)がその水源だとして上記の切手に描いています。

参考:世界の長い川ベストテン:〜
・1番〜ナイル河 (Nile River, 6,650km)
・2番〜アマゾン河 (Amazon River, 6,400m)
・3番〜長江(揚子江) (Yangtze River, 6,300m)
・4番〜ミシシッピ河 (Mississippi River, 5,971m)
・5番〜エニセイ河 (Yenisei River, 5,540m)
・6番〜黄河 (Yellow River, 5,464km)
・7番〜オビ河 (Ob River, 5,410km)
・8番〜パラナ河 (Rio Parana, 4,880km、パラグアイとブラジルの国境)
・9番〜コンゴ河 (Congo(Zaire) River, 4,700km)
・10番〜アムール河 (Amur River, 4,444km)
なお、日本で一番長い川は信濃川 (Sinano River, 367km)
平成23(2011)年の理科年表から。

参考HP〜
ナイル河の場所地図(日本語)
ナイル河流域の地図
タンザニアの地図(北西にカゲラ川(Kagera)が有)
南スーダン首都のジューバ付近地図(Google Map)
ファイユームの場所地図(Google Map、Lake Quaroun有)
ギキジ山の場所地図(Google Map)

・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。     2015/2/14      
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