大航海物語 |
日本二十六聖人の殉教 1597/2/5 Twenty-six Martyrs of Japan |
参考資料 |
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ESPANA フランシスコ会宣教師 スペイン 1963/9/24 発行 |
イエズス会宣教師 ポルトガル 1993 発行 |
・日本二十六聖人の殉教 (1597/2/5、慶長元年12/19) Twenty-six Martyrs of Japan 日本二十六聖人の殉教は、豊臣秀吉の命で長崎で処刑された26人のカトリック信徒のこと。日本でキリスト教の信仰を理由に最高権力者の命令で処刑が行われたのはこれが最初。26人は後にカトリック教会によって聖人の列に加えられたため、「日本二十六聖人の殉教」と呼ばれることになりました。秀吉のバテレン追放令は1587年が最初で、南蛮貿易の利益を重視して、黙認で異国の宣教師達は日本で活動を継続。この時に「禁止されていたのは布教活動で、キリスト教の信仰は禁止されず、各地のキリシタンも公に迫害されたり、その信仰を制限されたりすることはない」という解釈でした。そういう時(1596)にサン・フェリペ号が土佐沖に漂着し、その一人が殉教しました。総督使節として来日し、布教しないことを条件に京都に居住を許されていたフランシスコ会士達が、公然と布教に従事し、秀吉はそれを非難しました。また増田長盛の報告を聞いて、大坂・京都にいた宣教師達の逮捕を命じました。6人の外国人フランシスコ会士、18人の日本人修道士と同宿(伝道士で宣教師らに同行し世話をする人達)が逮捕されました。宣教師は全てフランシスコ会士で、信徒の中にはイエズス会関係者もいました。 24人は京都・堀川通り一条戻り橋で左の耳たぶを切り落とされて(秀吉の命令では耳と鼻を削ぐように言われていた)、市中引き回しとなりました。「1597/1/10に長崎で処刑せよ」という命令を受けて、一行は大阪を出発。歩いて長崎へ向かい、道中でイエズス会員の世話をするよう依頼され付き添っていたペトロ助四郎と、同じようにフランシスコ会員の世話をしていた伊勢の大工フランシスコが、キリスト教徒として自分の信仰のために命を捧げることを拒絶せず捕縛されました。厳冬期の旅を終えて長崎に到着、一行を見た責任者の寺沢半三郎(当時の長崎奉行寺沢広高の弟)は、一行の中に12才の少年ルドビコ茨木がいるのを見て気の毒に思い、信仰を捨てることを条件に助けようとするも、ルドビコはこの申し出を丁重に断りました。ディエゴ喜斎と五島のヨハネは、告解(懺悔)を聴くためにきたイエズス会フランシスコ・パシオ神父の前で誓願を立てて、イエズス会入会を許可されました。26人が通常の刑場でなく、長崎の西坂の丘の上で処刑されることが決まると、一行はそこへ連行されました。長崎市内は混乱を避けるため外出禁止令が出されるも、4000人を超える群集がそこへ終結。パウロ三木は死を目前にして群集に自分の信仰を語りました。一行が磔(はりつけ)の刑で槍に両脇を刺しぬかれて殉教したのは午前10時頃のことだったと伝えられています。遺骸は死後一ヵ月以上、磔のままさらされ、その後カトリック教会で殉教者の遺骸や遺物(聖遺物)を尊ぶ伝統があったため多くの人の手でわけられ、日本で最初の殉教者の遺骸として世界各地に送られて崇敬を受けました。 1962年には列聖100年を記念して西坂の丘に日本二十六聖人記念館と記念碑が建設されました。26人の内、日本人は20人、スペイン人が4人、メキシコ人、ポルトガル人がそれぞれ1人でした。 殉教した二十六聖人:〜(二十六聖人記念碑に銘記) ・伊勢のフランシスコ (Saint Gaius Francis) 日本人大工。フランシスコ会員の世話をするため、一行に付き添い、道中で捕縛された。 ・コスメ竹屋 (Saint Cosme Takeya) 日本人、38才。大阪で捕縛される。 ・ペトロ助四郎(またはペドロ助四郎) (Saint Pedro Sukejiroo) 日本人、イエズス会員の世話をするため一行に付き添い、道中で捕縛された。 ・ミカエル小崎(またはミゲル小崎) (Saint Miguel Kozaki) 日本人、46才。京都で捕縛。トマス小崎の父。 ・ディエゴ喜斎 (Saint James Kisai) 日本人、64才。大阪で捕縛。イエズス会員。 ・パウロ三木 (Saint Paul Miki or Saint Paulo Miki) 日本人、33才。大阪で捕縛。イエズス会員。遺灰と遺骨が澳門に有。 ・パウロ茨木 (Saint Paulo Ibaraki) 日本人、54才。京都で捕縛。レオ烏丸の兄。 ・五島のヨハネ草庵(またはヨハネ五島)(Saint Juan Soan de Goto) 日本人、19才。大阪で捕縛、イエズス会員。 ・ルドビコ茨木 (Saint Luis Ibaraki) 日本人、12才で最年少。京都で捕縛。パウロ茨木、レオ烏丸の甥。 ・長崎のアントニオ (Saint Antonio Dainan) 日本人、13才。京都で捕縛。父は中国人、母は日本人。 ・ペトロ・バウチスタ(又はペドロ・バプチスタ) (Saint Pedro Bautista or Saint Peter Baptist) スペイン人48才。京都で捕縛。フランシスコ会司祭。マニラで10年布教後来日。パウロ三木の友 ・マルチノ・デ・ラ・アセンシオン (Saint Martin of the Ascension) スペイン人、30才。大阪で捕縛。フランシスコ会司祭。 ・フェリペ・デ・ヘスス(またはフィリッポ・デ・ヘスス) (Saint Philip of Jesus) メキシコ人、24才。京都で捕縛。フランシスコ会修道士。来日最初のメキシコ人。 ・ゴンザロ・ガルシア (Saint Gundisalvus (Gonsalvo) Garcia) ポルトガル人、40才。京都で捕縛。フランシスコ会修道士。 ・フランシスコ・ブランコ (Saint Francisco Branco) スペイン人、28才。京都で捕縛。フランシスコ会司祭。 ・フランシスコ・デ・サン・ミゲル (Saint Francisco of Saint Michael) スペイン人、53才。京都で捕縛。フランシスコ会修道士。 ・マチアス (Saint Mathias of Miyako) 日本人、京都で捕縛。本来逮捕者のリストになかったが、洗礼名が同じというだけで捕縛。 ・レオ烏丸(Saint Leo Karasumaru) 日本人、48才。京都で捕縛。パウロ茨木の弟。ルドビコ茨木の叔父。 ・ボナベントゥラ (Saint Bonaventura of Miyako) 日本人、京都で捕縛。 ・トマス小崎 (Saint Thomas Kozaki) 日本人、14才。大阪で捕縛。ミカエル小崎の子。 ・ヨアキム榊原(またはホアキン榊原) (Saint Joaquim Saccachibara) 日本人、40才。大阪で捕縛。 ・医者のフランシスコ (Saint Francisco of Nagasaki) 日本人、46才。京都で捕縛。 ・トマス談義者 (Saint Thomas Xico) 日本人、36才。京都で捕縛。 ・絹屋のヨハネ (Saint Ignatius Jorjes) 日本人、28才。京都で捕縛。 ・ガブリエル (Saint Gabriel de Duisco) 日本人、19才。京都で捕縛。 ・パウロ鈴木 (Saint Pablo Suzuki) 日本人、49才。京都で捕縛。 参考HP:〜 ・二十六聖人殉教の記念碑の写真(長崎西坂の日本二十六聖人記念碑) ・二十六聖人殉教の記念館(公式HP、日本語有) ・元和八年の大殉教の図絵(マカオ製、イタリア内務省ジェズ教会蔵) (神戸の博物館の開館30年記念展(2012/4/21-6/3)で展示されていた物を確認) ・こちらでサン・フェリペ号事件を、お楽しみください。 ・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。 12/5/4 |