シボラの七都市 Seven Cities of Cibola |
・シボラの七都市 Seven Cities of Cibola シボラは伝説上の黄金の七都市のことで、シボラの七都のうちの一つといわれています。エル・ドラード(黄金郷)や若返りの泉と同様に、16世紀のスペイン人のコンキスタドール(征服者)達やフランス人植民者によって新大陸に実在すると信じられ、現在のアメリカ合衆国南西部の探険が数多く行われました。黄金都市の伝説の信ぴょう性が保たれたのは、一方でエル・ドラード伝説があったこと、アドベ煉瓦(Adobe、砂・砂質粘土と藁の天然建材)で作られたプエブロ集落は、煉瓦に 雲母が混ざっていると太陽光を反射して黄金色に輝いて見えること、ズニ(Zuni)のプエブロ集落が実際に7つあったことなどが挙げられています。 伝説のいわれは、711年アラブの部族ベルベル人のイスラム兵約1万人がジブラルタル海峡を越えてスペインに攻め込み、後にスペイン全土がイスラムに占領されたことに始まり、その伝説は1150年頃にムーア人がスペインのエストレマドゥーラ州バダホス県メリダ(Merida)を征服したことに由来しています。それによると、スペインの7人の司教がムーア人に追われて町から逃げ、一命を取り留めただけではなく、聖なる遺物がイスラム教徒たちの手に渡るのを防ぎました。後になって、どこか遠くの当時の人々には分からない場所に、7人の司教たちが「シボラとキビラ(Quivira)の町」を創った、という噂が広まりました。伝説では、これらの町はとても裕福で、主に黄金と宝石で建てられていると言われたその伝説は、その後何世紀もの間、多くの探険の大きなキッカケになりました。最終的には「シボラとキビラ(Quivira)の街」の伝説は、メリダを去った7人の司教それぞれがいる「黄金の七都市」という大きな話になりました。 1492年アラブ人をスペインから追い出して国土回復(レコンキスタ)に成功したスペイン人は、アフリカで7つの都市を探すも発見できませんでした。そのうち、メキシコのアステカを征服したスペイン人の耳に七つの都市は北米南西部のシボラというところにあるという噂が伝わり、1539年メキシコ総督がコロナード探検隊を派遣、長期に及ぶ探査の結果、七つの都は発見できなかったものの、南西部に定住する先住民と接触し、後に殖民者を送り込み今日のニューメキシコのサンタ・フェ周辺の開拓を行いました。この7の都市のシボラを冠した郡、川、学校などが実在しています。
シボラにちなんだ地名は、シボラ国有林(w:Cibola National Forest)、アリゾナ州の集落シボラ(Cibola, Arizona)、ニューメキシコ州のシボラ郡は、この伝説の都市にちなんで名付けられました。しかし実際にシボラがあったといわれる場所(あるいはマルコス修道士がシボラと勘違いした場所)についてははっきりしていません。 参考HP:〜 ・スペイン・メリダの場所地図 ・アリゾナ州の地図 ・アリゾナ州シボラの場所地図 ・ニューメキシコ州の地図 ・ニューメキシコ州ズニの場所地図 ・各探検隊の探検ルート地図 (ヴァカ、ニサ、コロナード、ロドリゲス、エスパジョ、オニャテ、ソーサ) ・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。 11/6/11 |