大航海物語 | 大航海時代 と 帆船の食料 マンゴー Mango |
参考資料 |
・マンゴー:〜:インドからインドシナ半島周辺が原産地 Mango 和名:マンゴー、別名:菴羅(あんら)、菴摩羅(あんまら) 英名:Mango 学名:Mangifera indica 分類:植物界、被子植物門、双子葉植物綱、 ムクロジ目、ウルシ科、マンゴー属、マンゴー種 Plantae、Magnoliophyta、Magnoliopsida、 Sapindales、Anacardiaceae、Mangifera、M. indica マンゴー(檬果、芒果)は、ウルシ科マンゴー属の果樹、その果実。 原産地はインドからインドシナ半島周辺と推定されています。そのうち、単胚性(一つの種から一個体繁殖する)の種類はインドのアッサム地方からチッタゴン高原(ミャンマー国境付近)辺りと考えられ、多胚性(一つの種から複数の個体が繁殖する)の種類はマレー半島辺りと考えられています。 インドでは4000年以上前から栽培が始まっており、仏教の経典にもその名があります。現在では500以上の品種が栽培されて、インド・メキシコ・フィリピン・タイ・オーストラリア・台湾が主な生産国で、日本では沖縄県・宮崎県・鹿児島県・和歌山県・熊本県で主に栽培されています。 日本では露地栽培により果実を実らせることが難しいため、農家ではビニールハウス栽培を採用していますが、それはハウス栽培を行う目的は高い気温の確保ではなく、マンゴーの開花時期が日本の雨季と重なるため、水に弱いマンゴーの花粉を雨から守ることで受粉をさせ、結実させるためなのです。 マンゴーの木は常緑高木で、樹高は40m以上です。開花と結実時期は地域により差があります。枝の先端に萌黄色の複総状花序を多数付け、花は総状花序と呼ばれる小さな花が房状で咲く状態になり、開花後に強烈な腐敗臭を放ちます。この腐敗臭により受粉を助けるクロバエ科などのハエを引寄せます。 マンゴーの原産地の熱帯地域は、ミツバチにとって気温が高すぎるため、マンゴーは受粉昆虫としてハエを選んだと考えられています。日本のハウス栽培では受粉を助ける昆虫としてミツバチをビニールハウス内に飼っています。果実は系統によって長さ3-25cm、幅1.5-15cmと大きさに開きがあり、その形は広卵形とも勾玉形とも評されます。果皮は緑色から黄色、桃紅色などと変異に富みますが、果肉は黄色から橙紅色で多汁。果皮は強靱でやや厚く、熟すと皮が容易に剥けるようになります。未熟果は非常に酸味が強く、完熟するとほとんど酸味は無くなって甘みが強くなり、松脂に喩えられる独得の芳香を放ちます。 ・マンゴーで「かぶれ」る:〜 マンゴーはウルシオールに似たマンゴールという接触性皮膚炎(かぶれ)の原因となる物質が含まれており、高率にかぶれを引き起こすため注意が必要です。痒みを伴う湿疹などのかぶれ症状は食べてから数日経って発症・悪化する場合があり、ヘルペスなどと誤診されることもあります。 ・食材としての利用は:〜 熟した実を、中心にある種に沿って切り、生のまま食用にするのが一般的。ジュース・ピューレ・缶詰・ドライフルーツなどにも加工されます。ホンコンでは果肉またはピューレに、ゼラチン・砂糖・生クリームなど、他の材料を合わせたマンゴープリンが有名。その他、ムース、ケーキ、シャーベット、スムージー、グミなどの洋生菓子も盛んに作られています。また、未熟果を塩漬け・甘酢漬け・チャツネにします。東南アジアでは未熟果に唐辛子入りの砂糖塩につけて食したり、炒め物などの料理に使用したりします。栄養面では、特にビタミンAやβ-カロテンが多い。地域によってはパパイヤのようにマンゴーの未熟果実を野菜として、おやつとして食する文化があります。タイとベトナムでは緑色の未熟果実が庶民のおやつとして、塩をつけて食べられています。 ほとんど甘みはなく、未熟な果実の鮮烈な酸味と歯ごたえを楽しみます。台湾では小ぶりのマンゴーの未熟果実を丸ごとシロップ漬けにしたおやつが食べられています。インドではマンゴーの未熟果実を乾燥させ粉末にしたものはアムチュールと呼ばれ、酸味付けのスパイスとして使用されます。ガラムマサラにアムチュールを加えた複合スパイスはチャットマサラ(Chaat masala)と呼ばれ、インド料理では広く使用されます。 日本では植物防疫法によって、侵入を警戒する農業大害虫のミバエ類が発生している国・地域からのマンゴーの生果実の輸入は原則として禁止されています。 ・タイ産は:〜 タイでは60種類以上の品種が栽培され、条件付で輸入が解禁されたのが1987年で、現在日本へ輸入できるマンゴーはナムドクマイ種・ナンカンワン種・ピムセンダン種・ラッド種・マハチャノ種の計5種類のみです。日本人には糖度の高さと極め細かな食感が特徴のナムドクマイ種が最も好まれ、日本に輸入されているタイ産マンゴーのほとんどを占めています。ナムドクマイとはタイ語で「花のしずく」という意味で、しずく状のマンゴーの形が名前の由来です。タイ産のマンゴーは雨季があける11-6月が美味しく、日本にもこの時期に多く輸入されています。外国産のマンゴーではメキシコ、フィリピンについで3番目の輸入量です。 ・インド産は:〜 マンゴーの王と呼ばれるアルフォンソ・マンゴーは、3月から5月にかけて実り始め7月頃に終わります。甘く特有の香りが有。雨期の数ヵ月前に数日間雨が降り、その雨により一気に熟します。この雨をマンゴー・レインと呼び、デカン高原では4月中旬から5月初旬に降雨。雨期が始まる6月中旬で、アルフォンソ・マンゴーの季節は終わります。実が大きく味が濃いデーヴガル産のアルフォンソ・マンゴーが最高だと言われています。最近は化学肥料を使い、果実を大きく育てた物が他の地方でも作られるも、大きいだけで味は薄くデーヴガル産の物にはかないません。デーヴガル産でない場合は、化学肥料を使わない小ぶりなものの方が味が濃く美味しい。2006年より条件付で日本への輸入が解禁されました。現在輸入できる品種はアルフォンソ種・ケサー種・チョウサ種・バンガンパリ種・マリカ種・ラングラ種の6種です。 参考HP:〜 ・マンゴー木の写真 ・マンゴー実の写真(樹上) ・マンゴー実の写真(市場、フロリダ半島東岸のメリット島:Merritt Island, Florida) ・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。 2010/7/31、13/5/26 |