切手で綴る 太平洋戦争 物語 第1部 <開 戦> 第2章 南方攻撃 11 フィリピン空襲 1941/12/8 (月) 帝国軍、ルソン島を空襲 |
ゼロ戦:帝国海軍艦上戦闘機 ソロモン諸島 1995 発行 |
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中攻:九六式陸上攻撃機 グレナダグレナディーン 1995 発行 |
一式陸攻:一式陸上攻撃機 グレナダ領グレナディーン諸島 1995 発行 |
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・帝国軍、フィリピン攻略を開始するためルソン島を空襲 (比島航空撃滅戦の開幕、1941/12/8) 大日本帝国は開戦時、陸軍はマレー半島など南方諸地域への奇襲上陸作戦に全精力を注いで、その方面の上陸作戦支援には陸軍機があたりました。そして海軍機はアメリカ航空戦力がひかえているフィリピン航空戦を担当することになっていました。 アメリカの主力航空隊はフィリピンのルソン島パンパンガ州アンヘレス北西部(4.83km)で首都マニラの北西約60kmの地点にあったアメリカ空軍基地クラーク飛行場(Clark Air Base, west of Angeles City, Pampanga, Luzon、現:ディオスダド・マカバカル空港)と、ルソン島西部のサンバレス州にあったイバ飛行場(Iba Air Base, Zambales, Luzon)に集結していました。そこでクラーク基地とイバ基地へ、ゼロ戦百機程度で、中攻、一式陸攻それぞれ54機を護衛して先制攻撃をしかける予定でした。 台湾からフィリピンまでは約450海里(833.4km=1.852x450)なので、それは長い航続性能を誇るゼロ戦にとっても余りにも長大な飛行距離なので、航空母艦3隻、 ・龍驤 (12,732t, 29.0kt, 飛行甲板158.6mx23.0m, 九六艦戦18, 九七艦攻12, '42/8/24戦没) ・瑞鳳 (11,200t, 28kt, 飛行甲板180.0mx23.0m, 九六艦戦6,零戦7, 九七艦攻9, '44/10/25戦没 ) ・特設空母 春日丸 (日本郵船, 17,830t, 21kt, 搭載機23機、,飛行機輸送など, '42/8/31戦没) にゼロ戦を搭載してフィリピン近くまで運ぶ案が出されるも、これらの一万屯級小型空母ではゼロ戦70機程度しか搭載して輸送できず、速度も遅く、飛行甲板が短いなどが問題となり、第十一航空艦隊司令長官の塚原二四三中将(1887-1966)は10/25に空母使用をとりやめ、台湾地上基地からのゼロ戦発進を決定しました。ただゼロ戦には遠距離を飛んだ後で、空中戦を戦わなければならないという不利な条件が課せられました。 1941/12/8早朝フィリピンのアメリカ軍に、帝国の真珠湾攻撃のニュースが入ったので、アメリカ極東航空軍(US Far East Air Force 1941-1942/2/5)の司令官ルイス・ブレリートン少将(Lieutenant General Lewis Hyde Brereton 1890-1967)が台湾の帝国軍基地への先制攻撃を具申するも、上層部はこれを却下。アメリカ軍上層部は、帝国がフィリピンへ進攻してくるか否か判断しかねるも、帝国軍機の襲来に備え、朝から戦闘機隊を離陸させて、上空を警戒していました。 そのころ台湾は濃霧に覆われていました。第11航空艦隊の攻撃機群は濃霧に遮られ、出撃は9時過ぎになりました。帝国軍機の到着前の昼頃にアメリカ軍機は給油のため次々と基地へ着陸。そこへ帝国軍機がフィリピン上空に飛来してきました。 ・フィリピン飛行場空襲、開戦 (比島航空撃滅戦が開始される、1941/12/8) 12/8午後、台湾飛行場の帝国海軍第十一航航空艦隊からの攻撃機群がアメリカ領フィリピンのクラーク基地とイバ基地を奇襲攻撃。 <太平洋戦争開戦時の編制> ・第十一航空艦隊 (大日本帝国海軍) ・司令長官〜塚原二四三中将(在任1941/9/10-1942/11/30) ・参謀長 〜大西瀧治郎少将(在任1941/1/15-1942/2/10) ・第21航空戦隊 ・鹿屋海軍航空隊(鹿児島県鹿屋基地) 主に搭乗員の練成に当たり、開戦直前に陸攻隊の半数(3個分隊)が仏印に派遣され、 二二航戦の指揮下に入り、マレー沖海戦に参加 ・東港海軍航空隊(高雄市南郊の東港鎮の大潭(大鵬湾潟湖)を浚渫して駐機) 飛行艇部隊(外洋偵察、哨戒) ・第1航空隊(台湾の台南飛行場) 開戦時は第七五二海軍航空隊から戦闘機隊を全て台南海軍航空隊に譲渡 12/8、高雄空・台南空と合同して、中攻27機でクラーク飛行場を爆撃 ・特設航空機運搬船 葛城丸(貨物船、5,834屯、17節) (国際汽船、1940/12徴用、1942/10米潜水艦雷撃で戦没) ・第22航空戦隊 ・美幌海軍航空隊 11/24に海南島経由サイゴン近郊ツダウム飛行場に進出、陸攻48機に増強 12/10、マレー沖海戦で元山空・鹿屋空と協同でプリンスオブウェールズとレパルス撃沈 ・元山海軍航空隊 11/24、海南島経由サイゴン近郊ツダウム飛行場に進出 12/10、マレー沖海戦で美幌空・鹿屋空と協同でプリンスオブウェールズとレパルス撃沈 ・特設航空機運搬船 富士川丸(貨物船、6,983屯、16.38節) (東洋海運、1940/12/9徴用、1944/2/17トラック環礁内で空爆され戦没) ・第23航空戦隊 ・高雄海軍航空隊(台湾の高雄飛行場) 12/8、ルソン島イバ飛行場を一式陸攻27機で爆撃 ・台南海軍航空隊(台湾の台南飛行場) 12/8、ゼロ戦34機(新郷大尉隊)と 一式陸攻45機(離陸失敗1機有)でフィリピンを空襲 (新郷英城大尉(1911-1982)後に中佐、戦後に空自の空将) ・第3航空隊(台湾の高雄飛行場) 12/8、ゼロ戦53機(引き返し2機有)でルソン島イバ飛行場を強襲 12/10、再度ルソン島を強襲、空中戦で44機撃墜を報告 (横山保大尉(1909-1981)後に中佐) (約500浬の進出も可能として台湾からのマニラ周辺への直接攻撃を提案) ・特設航空機運搬船 小牧丸(貨物船、6,468屯、17節) (国際汽船、1940/12徴用、1942/4ラバウルで空爆され戦没) ・附属:りおん丸、慶洋丸、加茂川丸 ・第34駆逐隊 ・羽風、秋風、太刀風 ・帝国軍<開戦時編制の定数>(追加を除く) 比島航空撃滅戦の航空部隊司令部・高雄(台湾)
・アメリカ軍<開戦時編制の定数>
・帝国軍<出撃機の総数>
▼クラーク飛行場は高雄空の一式陸攻27機、第1空の中攻27機が、直衛部隊の零戦34機と共に攻撃。飛行場の米空軍機約60機を爆撃、その後に零戦隊が地上を機銃掃射で撃破。 ・クラーク飛行場へは:〜攻撃隊計98機 ・新郷隊第1戦闘隊のゼロ戦17機(新郷大尉直卒の制空隊)、(台南空) ・新郷隊第2戦闘隊のゼロ戦17機(陸攻護衛隊の浅田隊)、(台南空) ・(?)のゼロ戦10機 ・一式陸攻〜27機(高雄空) ・中 攻 〜27機(高雄空) ・地上米軍約60機の損害:〜 4機のP-40が迎撃、全4機を撃墜 ・ボーイングB17爆撃機〜5機 ・カーチスP40型戦闘機〜3機 ・セバスキ-P35戦闘機〜3機炎上 ・その他〜多数。 ▼イバ飛行場には台南空の一式陸攻27機、第3空のゼロ戦40機と共に攻撃し、地上の米空軍機約100機のうち60機を爆砕。直掩の零戦隊は迎撃のため離陸したP-40戦闘機約30機と激しい空中戦を演じ、そのうち25機を撃墜するも、零戦も7機を喪失。その後クラーク基地に向かい残存のアメリカ戦闘機と交戦勝利。この日の攻撃で米空軍機はB-17を13機、P-40を50機、P-35を5機、各種飛行機20〜30機を失い、地上施設も大損害を出す。 ・イバ飛行場へは:〜攻撃隊計94機 ・横山隊第1戦闘隊のゼロ戦24機(3空) ・横山隊第2戦闘隊のゼロ戦16機(3空) ・一式陸攻〜27機(台南空) ・中 攻 〜27機(第1空) ・地上米軍約100機の損害:〜 ・ボーイングB17爆撃機〜13機 ・カーチスP40型戦闘機〜50機 ・セバスキ-P35戦闘機〜5機炎上 ・その他〜多数(20〜30機)。 ・デルカメン飛行場へ:〜 (Del Carmen Air Base, , Province of Pampanga, Philippines) クラーク基地を地上銃撃後、南西(マニラ北西)のパンパンガ州デルカメン飛行場を攻撃 ・新郷隊第2戦闘隊のゼロ戦17機(陸攻護衛隊の浅田隊、台南空) セバスキーP-35戦闘機18機と空戦(撃墜6機、不確実5機)後、 地上銃撃を行い、21機を撃破炎上させる・・・・・との説有。 ・帝国の損害:〜 ・ゼロ戦〜7機 ・一式陸攻〜1機、計8機。
12/10には帝国航空部隊が再度ルソン島を強襲、空中戦で44機撃墜を報告し、マニラ湾内のキャビテ軍港および在泊艦隊を空襲して大きな損害を与え、マレー沖海戦ではイギリスの巨大戦艦2隻を撃沈しました。これらの航空撃滅戦などの結果、制空権、制海権は帝国軍のものになりました。 参考HP〜 ・ルソン島デルカメン付近の地図(Google Map、日本語、アンヘレス、イバ、マニラ湾が有) ・一式陸上攻撃機一三型の装備:〜初飛行:1939/10/23 (大日本帝国海軍の双発陸上攻撃機)、運用開始:1941/6月
・ボーイングB-17爆撃機の装備:〜初飛行:1935 (アメリカ陸軍の四発重戦略爆撃機)
こちらで ・グアム島空襲 ・フィリピン攻略 をお楽しみください。 ・上記は こちら の文献などを参照させてもらいました。 15/8/9、16/6/10 |
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